さて、わがのカルシウム不足ですが、これは地理的特性も関与しています。火山国である日本の土壌には、カルシウムをはじめとするミネラルが少なく、そのために他国に比べて野菜のカルシウム含有量が少なくなってしまうのです。野菜はカルシウムの一番の補給源であるにもかかわらず、日本の場合、フランスの1/5、イギリスの1/4程度。また飲料水にも同様に少なく、欧米の1/3から1/2程度です。私たちの祖先はこのような環境に生き残る知恵として、古くから海藻類や小魚を食べてきたのです。これは今でも、コンブ料理や田作りという形で伝承されています。  ところが現代の食生活は、このような栄養バランスを考えた伝承の料理を無視して、欧米並みの肉食文化を取り入れてしまいました。欧米の肉食文化は、カルシウム豊富な水や野菜を前提としています。つまりこの点を考慮しない、日本での肉中心の食生活は健康障害を招くことになるのです。というのも、肉はリンや硫黄、チッ素の多い典型的な「酸性食品」であるため、血液のペーハー(PH)は酸性に傾きがちに。すると体内では正常なペーハー7.4に保つために、もともと不足しているカルシウムを減らしてしまうのです。さらに、肉とともに摂取量が増えた清涼飲料水や、加工食品の保存料に含まれるリンにも要注意。カルシウムはこのリンと1対0.5の割合で均衡する成分のため、リンを多く摂るとその分カルシウムが流出してしまうのです。  では効率よくカルシウムを摂るために、どんな点に気をつければよいでしょうか。カルシウムの吸収を助けるものとして、リン、マグネシウム、(共にカルシウムの1/2の量)、ビタミンC、Dが挙げられます。まずリンについては前述の通り、摂りすぎに注意が必要です。カルシウム源の代表といわれている牛乳は、確かに含有量は優れていますが、同じぐらいリンも含まれている点は知っておくべきでしょう。次にマグネシウムですが、これはカルシウムと同様、日本では不足しがちなミネラルです。このミネラル両方を含む、小魚、ナッツ類、濃緑野菜はぜひ、積極的に摂りたいもの。特にマグネシウムが多くリンが少ない海藻類(コンブ・ワカメ)は貴重です。続いてビタミンD、これは太陽光線によって皮下のコレステロールが活性のDに変わるため、日光にあたっている人は不足しません。  最後にカルシウムの吸収を妨げるものとして、穀物に含まれるフィチン酸が挙げられます。玄米食や全粒粉のパン食の人は、カルシウム(および鉄)の不足に注意が必要です。また、ほうれん草などに含まれる蓚酸も問題ですが、ゆでればOK。不足しがちなミネラルであるカルシウムの積極的な摂取を心がけましょう。

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